楽天SEO&売上アップ研究会

SEO対策や広告を活用して売上を上げつつ、インターネット通販でしっかりと利益を確保する方法を研究します。

コロナウイルスによる荒波の中、インターネット通販の立ち上げによって売上を急伸させた飲食店の事例

新型コロナウイルスの影響が様々な業界で出ています。
今後のビジネスの仕方や我々の働き方にとって、大きな転換点に差し掛かっていることは間違いありません。

昨日までの常識は、今日には通用しなくなるような状態です。

そんな中、私が共同事業オーナーをしているレストランではインターネット通販によって大きく売上を伸ばしています。
(楽天やYahooショッピングへの出店ではなく、独自ドメインのECサイトです)
来月あたりには、店舗を営業していた時の売上を超えるだろうと予想をしています。

今回は、困難に直面している経営者の方に向けて、そんな事例をご紹介いたします。
少しでもご参考にしていただければと思います。

※今回の記事の「インターネット通販」とは、ヤマト運輸や佐川急便などの宅配業者を活用したメニューの宅配のことを指しています。
近距離圏内を自分達で配達したりUberを利用したりするデリバリーではありません。



店舗の営業休止と通販への注力

東京都内で新型コロナウイルスの感染が拡大し始めたのが3月中旬から下旬あたりでしょうか。
その後、あれよあれよと事態は悪化していき、4月7日に緊急事態宣言がなされました。

それに合わせて、感染拡大防止のためレストランでは店舗の営業を休止しました。
3月から4月にかけては歓送迎会やお花見シーズンということもあり、多くの飲食店が書き入れ時。
営業面でのダメージは計り知れないものがありました。

しかし、嘆いていても事態が変わるわけではありません。

その日から、インターネット通販に全力を注ぐことを決め、販売商品の拡充やネット広告の手配など、あらゆる策を講じました。

我々の店舗では以前からインターネット通販をやっていたため、下準備が出来ていたのは事実です。
その分、スタートダッシュが早かったのですが、この状況下で間違いなく食品のインターネット通販が伸びるという確信があったため、積極的に動きました。

そんなこんなで結果として、現在では毎日数十件の注文が入る状態になったのです。

インターネット通販のメリットを最大限享受する

ここで一度、インターネット通販をすることで得られるメリットを挙げてみましょう。

1.商圏が限定されない
外出自粛で人の動きが無くなると、あなたのお店のお客さんは徒歩圏内の近所の人だけになります。
住宅密集地であれば、テイクアウトだけでも売上は確保できるかもしれませんが、この状況が長く続くといつまで耐えられるかわかりません。
あなただって、よほどハマったお店でなければ、一度買ってしまえば満足ですよね。

インターネット通販であれば、基本的に日本全国で商売できます。
事実、私のお店は東京にありますが、南は沖縄から北は北海道まで、注文が入ってくるのです。

2.24時間いつでも営業中
ランチ営業やディナー営業は時間が決まっていますよね。それにお店のキャパシティだってあります。
10人分の席しかないお店は、どう頑張っても一度に10人分の売上しか上げられません。
11人目のお客さんを泣く泣く断る、なんてこともありますよね。
回転率を上げても、そもそもお客さんが来店する時間は限定されています。

インターネット通販であれば、24時間開店状態なので、夜中でもお客さんからの注文が入ります。
さらに注文が集中しても問題ありません。
11人目のお客さんを断る必要がないのです。

3.お客さんをリスト化できる
あなたのお店に来てくれたお客さん、連絡先を知っていますか?
馴染みのあのお客さんに、「テイクアウト販売やっているから買って!」とこちらからアピールすることができますか?
予約を取るお店であれば顧客リストがある可能性がありますが、ほとんどのお店はお客さんの連絡先を知らないのです。

インターネット通販であれば、当然お客さんの連絡先も住所も知っています。
もちろん、こちらからの案内の許諾を得ないといけませんが、こちらからアプローチすることができるのです。

4.コロナウイルスの感染リスクを最小限に抑えられる
今のご時世、とにかくコロナウイルスへの感染リスクは減らしたいと思います。
そうなると、お客さんとの物理的な接触がないことは、あなたや働く従業員の方、そして何よりお客さんにとっての大きな安心感に繋がります。
これから事態がより悪化して益々外出が難しくなると、買い物をインターネット通販で済ませられることが、多くの人にとってのベストな選択になるのです。
(だからこそ、物流業界で働く方々への感謝は忘れずに!)

ざっと挙げただけでも、どれだけの可能性を秘めているのかお分かりいただけたと思います。

残念ながら、ほとんどの場合は失敗に終わる

「なるほど、やっぱりインターネット通販はメリットもたくさん!うちもやって売上を上げよう!」

このような感想を持たれた方には申し訳ないのですが、インターネット通販はそんなに甘いものではありません。

ここでハッキリと申し上げておきたいのは、飲食店で扱うほとんどの商品は、インターネット通販との相性がよくありません。

高確率で全く売れないか、売れたとしても利益が出ない、という状態に陥ると思います。
長年インターネット通販で経験を積んできたので、その部分に関しては自信を持って断言できます。

今度はインターネット通販の難しさを挙げてみましょう。

1.出来立てではない商品の美味しさと安全性の確保
カラッと揚がった出来立ての唐揚げ、ジュージューと音を立てる鉄板の上の肉汁たっぷりなハンバーグ、今まさに絞られたフレッシュなフルーツジュース…
どれもヨダレが垂れそうな商品です。
あなたのお店の大人気メニューがこのような商品だった場合、どうやってお客さんに届けますか?

揚げたての唐揚げをパッキングしてお客さんに送ったとしましょう。
お客さんのもとに着く頃にはベチャベチャの唐揚げです。
さらにはパッキングや配送に気をつけないと、菌が繁殖して食中毒の危険もあります。

インターネット通販で商品を売る場合は、お客さんに届いてから商品をベストな状態に持っていけるように、様々なことに工夫をしないといけないのです。

それこそ大手の食品メーカーは、何億円もかけて設備投資して、やっとそれが実現できているのです。

生半可な気持ちでできるものではありません。

2.梱包コストや配送コストが余計にかかる
食品を扱うということは、衛生面はとにかく気をつけなければいけません。

そうなると、梱包だって適当には出来ませんし、配送だってほとんどの場合クール便を使うことになるでしょう。
クール便だと最低でも1,000円程度の送料がかかります。

汁気の多い商品であれば汁漏れ対策をしなければいけないですし、瓶ものを扱う場合は緩衝材を使って割れないように丁寧に梱包しないといけません。
こうした梱包資材費が積み重なって、無視できないほどのコストになるのです。

要するに、店舗で販売する時と同じ値付けだと、これらのコストを吸収しきれませんし、お客さんに負担してもらうのであれば、これらのコストを上乗せしてもあなたのお店の商品が欲しい!と思ってもらえるような価値がないとダメなのです。

3.広告宣伝費は捻出できるのか
インターネット通販に抱く幻想でよくあるパターンが、「サイトさえ作ってしまえば売れるんでしょ?」という思い込みです。

今の時代、ネットで検索すればいくらでも通販サイトが出てきます。
作っただけだと誰にもその存在を知ってもらうことができません。

知り合いに告知をするだけだと、やはり購買に結び付けるのは至難の業。

「カレー」を売るには、「カレーを買いたい」という人にサイトの存在を知ってもらうのが一番なのです。
そこで重要になるのはネットの広告です。

実際の店舗でも存在を知ってもらうためにチラシを配ったりポスティングをしたり駅に広告を出したりするのと同じように、ネットのお店でもやはり広告にお金はかける必要があります。

最終的にこの広告費を回収できるだけの利益率があるかどうか、という点が、積極的な戦略を取れるか否かの分かれ目になります。

4.日本全国のお店が競合店に
先程のインターネット通販のメリットで挙げた「商圏が限定されない」ということは、言い換えれば全国のお店が競合になり得るわけです。

昨日までは、「地元の商店街には俺のお店に勝てるような所はない!」といったお店でも、一歩インターネット通販の世界に飛び込めば、銀座の超人気店と比較されてしまう可能性だってあるんです。
いや、比較対象として残れればまだ良いのですが、圧倒的なブランド力や認知度に差があると、お客さんにとっての選択肢になるのも一苦労です。

お客さんに「モノ」を売る、という発想から抜け出すことの重要性

ここまでお伝えしてきたように、インターネット通販で成功するのは簡単なことではありません。
深く考えずに通販サイトを立ち上げたところで、苦しい状況が変わることもありません。

ただし、これは店舗で販売している商品を“そのまま”売った場合です。
切り口やコンセプトを工夫してあげることで、勝負できる可能性は大いにある、ということもお伝えしておきましょう。

そのためにはお客さんが望んでいる物が何なのか、とにかく考え抜く癖をつけましょう。
特に、普段お店に来てくれるお客さんがどのような目的で来店しているのか、それを紐解いていくと多くのヒントが見えてきます。
そうすることで、あなたのお店のメニューが面白いコンセプトを持った商品になる可能性があります。

そして、もう一つのポイントが「お客さんへの提案力」です。

今、私たちは未曾有の事態に直面しているのです。
1週間や半月、場合によってはこの先1ヶ月も2ヶ月も家に籠っていないといけない状況が発生するのです。

あなたはそんな経験をしたことがありますか?
お客さんだってそんな経験は無いのです。

そうなると、今まではなかった需要が生まれたり、家での新しい時間の過ごし方が求められるようになるのです。

例えば私が居酒屋の店長だったとしたら、これからよりニーズが大きくなるであろう「オンライン飲み会」をさらに楽しくできるような仕掛けをします。
例えばバーのマスターであれば、お客さんがまるでバーで飲んでいるかのような、そんな工夫をしてみます。

こういった視点は、お店の人気商品を売る、という発想レベルではなかなか得られないものです。

お客さんが求めているもの、商品を買うという行動の先に何があるのか、ということを、この機会に掘り下げていくのが大事なのだと思います。

このような状況下での判断・行動の早さが成否をわける

以上が私の実体験をもとにした、飲食店のインターネット通販の可能性についてです。

最終的に無責任な発言になってしまいますが、お店の通常営業ができなくなってしまって時間があるけどどうしていいのかわからない、という方は一度トライしてみるのもありだと思います。
今の時代、通販のサイトを無料で作ることもできますし、面白いコンセプトを思いついたら試してみてお客さんの反応を見る、ダメだったら改善!というのが一番成功への近道なのではないでしょうか。

ちなみに、無料で通販サイトを作れるサービスはこちらです↓
BASE

私自身も過去にBASEを使って、ブドウ農家さんのインターネット通販のサイト構築をしたことがあります。
BASEはカスタマイズがしにくいのが難点ですが、売れるかどうかわからない状況の中、無料でインターネット通販の土台を作れるのは何よりも有り難いことです。(必要な機能は全て揃っています)

ある程度の手ごたえを感じたら、本格的な通販サイトを作るか、楽天などのショッピングモールへの出店を検討すればいいと思います。

確実に言えることは、成功するお店や会社というのは、判断・行動が早いということです。

この大変な状況を新たなチャレンジのためのチャンスと捉え、何とか生き抜いていきましょう!
心身面でも経営面でもコロナウイルスに負けず、全ての人が健康的な日々を過ごせることを心から願っております。

 - ECサイト, 売上アップ

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