楽天SEO&売上アップ研究会

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楽天スーパーセールで疲弊する店舗と潤う店舗~スーパーセールに参加しないという選択~

5月末から6月の頭まで、楽天スーパーセールが開催されました。
順調に売り上げを上げたお店、思うように伸びなかったお店、スーパーセールに一切関与しなかったお店・・・色々なお店があったかと思います。

2012年から始まったこの大型セールも、3か月に一回のペースで行われるようになり、真新しさも無くなってしまいましたね。

最近では一回の開催時間が100時間を超えるようになり、店舗側の負担も増す一方です。
今まで積極的にスーパーセールに参加していたお店もトーンダウンしている様子が見受けられますし、店子にとってみるとスーパーセールへの関わり方はお店の先行きを左右する大きな選択だと思います。

そこで今回はスーパーセールが各店舗と楽天ユーザーに与えた影響を今一度考察してみることにしましょう。

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楽天スーパーセールの功罪を考える

楽天スーパーセールは2012年3月に初開催されました。
その際は1日だけの限定セールで、店舗側もユーザーも様子見といった雰囲気もありました。

ただ目玉商品が半額で提供されるというのはインパクトも大きく、客寄せ効果はバツグンだったと思います。

それ以降の開催に関しては、多くのお店が積極的に半額商品や割引商品を用意して、大きなキャンペーンになっていったのは皆さんご存知の通りです。
(その間にも二重価格問題など色々なことがありましたが・・・)

今では多くのユーザーがセールを認知しており、開催期間中はかなりの集客が見込まれるようになりました。
これは楽天がTVCMを流したり、多くのお店を巻き込んだ安売りを仕掛けた結果だと思います。

ただその一方で、お店にしてみれば安売りによって利益は吹き飛び(場合によっては赤字にも)、通常の何倍もの受注を処理しなければならず、開催期間が終わると疲労感以外の何も残らない、という状況を招きました。

このセールがゲリラ的に行われれば良かったのですが、きっちり3ヶ月に一度の開催になってしまったため、スーパーセールに安売りするお店は普段の営業時に買い控えが起こる、という悲惨な事態もよく耳にします。

楽天ECコンサルタントに騙されてはいけない

楽天のECコンサルタントなどが、店子に安売り商品を用意させる時の常套句といえば、
「絶対に売上が伸びますから!」
「例え赤字になったとしても、ここでたくさんのリストを集めておけば将来的に返ってきますから!」
といった感じでしょうか。

確かに安売りをすれば売上は上がるかもしれません。
ですが、お店に利益がしっかりと残る、という前提条件をクリアーしておかないと、売上増が自分の首を締めることになってしまいます。

本来、売上を上げるというのも、一筋縄ではいかないはずです。
いつも以上の注文が入れば、受注対応や顧客対応する人員がいつも以上に必要になるはずです。
いつも以上の注文が入れば、ミスやトラブルだっていつも以上に起こる可能性があるわけです。

利益は残らない、人件費がいつも以上にかかる、クレームも多くなって対応に時間が取られる・・・
こんなことになったら目も当てられません。

赤字を出すかわりに新規顧客のリストを大量に手にしたとしましょう。
たしかにお客様のリストは商売をする上で何よりも重要ですよね。

ですが、スーパーセールで集められたリストのお客さん、次に購入してくれるのはいつでしょうか。
おそらく次回のスーパーセールで安くした時ですよね。

自分自身がお客さんの立場になれば実感することもあるかと思います。
楽天スーパーセールで半額で売る商品を、普段の定価で買うことがありますか?
買いまわりポイントを狙うためだけに購入した商品、再購入することがありますか?

ライフタイムバリューを考えると、通常時に購入してくれたお客さんとスーパーセールで購入してくれたお客さんには大きな差が出るはずです。
つまり、スーパーセールの安売りで得たリストを活用しても、お店にもたらされる利益は圧倒的に少ないということです。(もちろん極論ですが・・・)

スーパーセールで新規顧客のリストを集めるぞ!と鼻息荒く準備しているお店の方、今一度考え直してみてはいかがでしょうか。

その安売りは誰のため?本当に『あなたのお店』のお客様のためなのか?

最後に、楽天スーパーセールで笑うのは誰なんでしょうか?
間違いなく、「楽天」ですよね。

お店側にしてみれば、売上を伸ばすことが重要なのではなく、利益を伸ばすことが重要なはず。
半額にして売ることが、どれだけ経営を圧迫することなのか、経営者の方なら痛いほど理解しているかと思います。

結局、売上を伸ばすことで利益を得られるのは、胴元の楽天なのです。

ECコンサルタントはこのようなことも言います。
「半額にすることは、お客様への利益の還元です。日頃の感謝を込めて、人気商品を半額で提供しましょう!」

私はこの考え方に疑問を持ちます。
普段、自分のお店を愛用してくれているお客様に感謝を込めて利益を還元するには、人気商品を半額で提供することが最適なのでしょうか。

定価で購入したお客さんは、自分が買った商品が半額で売られていたらあまり良い気がしないですよね。
また、安くした商品が新規のお客さんばかりに買われてしまっても、既顧客への利益の還元にはつながりません。
つまり、ただ単に安売りをすることは、あなたのお店のお客様のためにはならないということです。

安く売らなくてもお客様に満足していただけるお店作りはできますし、むしろ楽天で利益を上げるためにはここは避けては通れぬ道であると考えています。
この「お客様の心を掴んで離さないお店作り」に関しては、おいおい記事にしたいと思っています。
(ちなみに、それでも安売りで還元したい!ということであれば、既顧客のみのクローズドなキャンペーンが良いかと思います。)

スーパーセールに参加しなくても売上は上がる

今現在、私が関わる店舗はすべてスーパーセールへの参加(商品の割引やポイントアップなどの施策)をしていません。

それでも、スーパーセール期間中はお店の売上も上がりますし、安売りしていないのでしっかりと利益も出ます。

普段の人員で対応しきれないほどの注文数があるわけでもないので、いつも通りの体制で受注対応・顧客対応ができます。
商品の発送にしても、お客さんからの問い合わせにしても、滞りなくスピーディーに対応することができます。
そうするとお客さんからの反応もすこぶる良いです。

安売りしなくても、あなたのお店・あなたの扱う商品に魅力があれば、お客さんは買ってくれるのです。

そろそろあなたのお店も安売り不況スパイラルから抜け出さないと、取り返しのつかないことになってしまいますよ!

 - 売上アップ, 楽天バイブル

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