CPC広告の停止、もしくは廃止に関する考察~広告費用の増大とCPA悪化のダブルパンチ~
今週の頭(10/26)、楽天出店者にとっては非常に衝撃的な決定が楽天によってなされました。
楽天サーチの検索結果にクリック課金型で出稿することができる「CPC広告」が、停止されているのです。
現在のところ再開の見通しは無く、年末年始の書き入れ時をCPC広告という武器無しで戦わなくてはならないことになってしまいました。
今回は、そんな激震の走った楽天SEMに関して、今後の対策などを考察していきます。
[記事内広告(GA)]
楽天の狙いは『広告費の最大化』
今回のCPC広告の停止に関しては、事前の告知もなく急遽決定されました。
もちろん、担当部署では色々と検証した結果の停止なのでしょうが、ECコンサルタントにも確認したところ、他の部署でも寝耳に水、といった様子です。
なんとも楽天らしい乱暴なやり方ですね・・・
私が関わるお店は、どのお店も競合店よりも商品単価が高く、レビューの数では勝てないので、アクセス数を確保するためにCPC広告を積極的に活用していました。
しかし、CPC広告の停止によって、大切なクリスマスシーズンの広告戦略を見直さなければいけません。
私と同じように、打ちひしがれている店長さんも多いのではないでしょうか?
そもそも、楽天の今回の決定にはどのような意図があるのでしょうか。
ECコンサルタントいわく、CPC広告によって楽天サーチの検索結果画面にキーワードと関連の低い商品が表示されてしまい、ユーザーの満足度が低かったとのこと。
余計なキーワードで表示されてしまって困っていたのは店長も同じだったのですが・・・
でもそれって自動キーワードのアルゴリズムを少し変えれば解決できる問題ですよね。
アルゴリズムの変更が難しいのであれば、指定したキーワードのみで表示させるようにすれば良いだけのこと。
そして何よりも、サーチワード広告だって関係の無い商品を掲載することだってできてしまいますよね。
それをせずにCPC広告だけを停止した背景には、最近ではどのお店もCPC中心の広告戦略になり、高いサーチワード広告が売れなくなった、という事情があるからでしょう。
楽天側としては、今回CPC広告を停止することで、サーチワード広告の購入に流れていくことを見越して、最終的に広告収入を最大化しようということだと思います。
もちろん事業者である以上は利益を最大化しようとするのはわかりますが、やり方が納得いかないというか、本当に店舗のことを考えていない企業だということが良くわかります。
まぁ、これが楽天だよね、って言ってしまえばそれまでですが・・・
今後の展望と店舗側の対策
今後、楽天のSEM事情がどうなっていくのか、少し予想をしてみましょう。
①このままCPC広告は廃止になり、サーチワード広告の金額が高騰する
これは最悪なパターンです。
CPC広告がなくなったのであれば、多くの店舗がサーチワード広告の購入に流れるはずです。
実際に、私もサーチワード広告を買い足しました。
検索結果の1ページ目に商品を出すためには、仕方が無いことです。
ですが、多くの店舗が同じ動きをすれば、サーチワード広告が常に売り切れてしまい広告を購入できない、もしくは広告を購入できたとしても、広告費が高くなり、CPAが悪化する、といったことになるでしょう。
人気のキーワードは高くなりやすい傾向がありますので、とてもペイできないキーワードも出てきます。
②CPC広告が復活する
これも可能性はあるかと思います。
CPC広告を停止することで、楽天自体の広告収入が減るようであれば、確実にCPC広告を復活させるでしょう。
ただし、クリスマスシーズンはサーチワード広告がよく売れると思いますので、その判断がなされるのは早くても来年の1~3月頃ではないでしょうか。
実際、ECコンサルタントも年内の復活はまず無い、と言っていました。
③現在のCPC広告に変わる新しいクリック課金型の広告ができる
あまり可能性は高くないかもしれませんが、現状のCPC広告とは違ったキーワード指定型のクリック課金広告ができる可能性もあるのではないでしょうか。
ただ、この場合は最低のクリック単価がかなり高い広告になるかと思います。
現在のCPC広告も、キーワードを指定した場合は、クリック単価が100円~になります。
もしも、このような広告がリリースされるのであれば、少なくともこの水準以上のクリック単価になるでしょう。
そうでないと、楽天の広告収入を増やすことにつながらないですからね・・・
今後ますます楽天内SEO対策が重要に!
ここまでCPC広告停止に関する考察をしてきましたが、それを踏まえた上で店長は今後どのような施策に打って出れば良いのでしょうか。
やはり、楽天内SEO対策をしっかりとやる、これに勝るものはありません。
現状のSEOアルゴリズムは、売上高とレビュー数を重視するものですので、しっかりとレビューを集める工夫をすることが何よりも重要です。
場合によっては、売れ筋商品を絞り、売上とレビューがいくつかの商品に集中するようにするのもいいかもしれません。
最近では、お客さんが書いてくれたレビューを確認しやすくなりましたので、レビューのキャンペーンをやったのに書いてくれていない!というお客さんには、催促のメールを送るのも大事です。
サーチワード広告に関しても、自店舗のキーワード分析をした上で、良さそうな複合ワードがあれば押さえておく、といったこともしておくべきでしょう。
(まさに楽天の思う壺で、非常に腹立たしいですが・・・)
とにかく、今は大切なクリスマスシーズンの売上を維持するためにも、できることを少しでもやっておきましょう!